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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
検索エンジン
今や誰もが知っているYahooやGoogle等の検索エンジン。

当たり前のように調べものがある際には利用している。但し、欲しい情報にたどり着くまでには個人差があり、結局欲しい情報が得られないまま終わってしまう人も居る。これは、インプットの入力方法にある程度の技術やコツが要求されるからだと思う。

最近、ネットに詳しい方と話す機会があり、サーチミー(Searchme)と言うサイトを教わった。目から鱗が落ちる経験は滅多に遭遇できないが、このサイト(というかシステム)には驚嘆した。

英語ですがSearchmeの凄さが理解できるビデオです --> サーチミーのデモ・ビデオ

例えばGoogleで欲しい情報がある場合には検索結果を一つ一つクリックしながら、関係するサイトにジャンプして閲覧し、期待はずれの場合には、再度検索サイト(画面)に戻り関係するサイトに別途ジャンプする必要がある。結構な手間である。

最近、世の中を騒がしている(と言っても初期型は2007年から存在するが。。。)iPhone 3Gの素晴らしいところはヒューマンインターフェースの優位性だが、このサーチミーも同じくユーザーが使いやすいヒューマンインターフェースが適用されている。それに加えて、ビジュアルに多くのサイトを一気に閲覧することが可能だし、又、閲覧する前にある程度の絞込みが出来るので効率性がグンと上がる。

米国でもトップVCであるセコイヤが投資しているのも驚きではない。

ネット販売にも同じ技術が使えたら、ユーザーが欲しいものに効率的にたどり着ける気がする。現状のシステムでは、欲しいものにたどり着くまでにクリック数が多く、購買する前にユーザーが離脱してしまう可能性が多大だ。逆に言えば、まだまだネットにも改良の余地が有り、そこにビジネスチャンスも眠っているのだろう。
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さよならスタンフォード
とうとう 帰国の日がやってきた。正直、プログラムの中に居て忙しい毎日を過ごしている際には卒業式の日や帰国の日を待ちわびていた。しかし、自分のスケジュール表にある予定が次々と終わり残り少なくなっていくと達成感とは異なる寂しさが襲ってくるように感じる。
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スケジュール帳には”JL001便にて帰国。予定離陸時間13:20”とのみある。これが僕の留学生活最後のイベントだ。

クラスメートのYUTAKAがアパートまで荷物を拾いに着てくれて、空港まで送ってくれた。スタンフォード大学から空港まで国道101を使った。使い慣れているハイウェイだが、これが最後(もちろん、今後も来ることはあるだろうが留学中との期間限定で)だと思うと色々な思い出が蘇る。自動車免許を取りに行く際も、サンフランシスコ空港の往復の際も、サンフランシスコの街に繰り出す際も、ナパへ小旅行に行く際も、この道を使った。

帰りのフライトは比較的空いており快適だった。

この10ヶ月を振り返ってみる。アジアにて多くのプロジェクトを通して実績を積み、正直、自信満々の自分が米国へ留学。そこで世界から集まった計55人のスローン・フェロー達との出会い、若いが頭脳明晰なスタンフォード大学の学生達との交流、著名な教授陣からの授業、大学主催のイベントにて出会う著名人達、スタンフォードを取り巻くコミュニティーとの交流、そのような出会いの中で生まれた友情や絆。。。自分自身が凡人と思えたこともあったし、正直、周囲の頭脳の明晰さの為に自己嫌悪に落ちいった時期もあった。おそらく渡米しなければ経験できなかった事だと思う。自分が居る輪の中で自分が最も劣っているのではないか、等、正直今までの人生で一度も味わったことがなかった。逆にそのような状況がバネとなった事は否めない。

そのような辛て豊かな環境を経験して自分の視野も広がり、自分も成長した。仲良くしているクラスメートからも”K2は、この10ヶ月で非常にバランスの取れた人材に成長したと思う。他の生徒と比べて特にそう感じる”と言ってもらった。

ビジネススクールは生徒を枠にはめようとしない。多少洗脳されていると感じたことはあるが。。。

ビジネススクールは多様性が売り物であり、その多様性を更に強めた形で生徒達は卒業するのだと思う。キャリア・チェンジをする為に以前と異なるスキルを強みに卒業する人も居れば、今まで実践で培ったスキルに学問的知識を習得して更に強いバックグランドを持って卒業する人も居る。

卒業式の際に学長であるJOSSから伝えられた4つのメッセージの2つ目が思い出される。

”常に学問のルーツがスタンフォードにあることを忘れないで欲しい。これからも学び続けて欲しい。これが君達に贈る2つ目のチャレンジだ”、と。確かにビジネススクールで教わったフレームワークは魂が吹き込まれなければ無に等しく。魂の吹き込み方は泥臭い実践が伴われる。留学前にも多々経験した”泥臭さ”は今後も継続するべきだと思っている。が、今後の泥臭さにはビジネススクールで学んだ経験を活かしながら、または試しながら行って活きたいと思っている。

世界でも名が通ったビジネススクールで学べたことが無駄にならないように。逆にビジネススクールから誇りと思われる人間になるべきだと思っている。

その為にはJOSSの3つ目のチャレンジの通り”自分だけ儲けずに社会に還元することを考えて欲しい”のメッセージにも精通する。ビジネスを行っていると、又、苦しい状況であったり、組織の中に埋もれて短期的な視野に汚染されてしまうと中・長期的なビジョンが曖昧となり、継続的に戦えるプランの捻出が難しくなる。難しいけど、常に心がけたいと思う。JOSSが述べた”常にスタンフォードGSB卒業生として振舞ってほしい”との1つ目のチャレンジも忘れてはならない。

世の中は悪い循環のインフレ、つまりスタグフレーションに突入していると言う。物価上昇により引き起こされる景気後退で倒産する企業や職を失う人も今後多く出てくると思う。又、投機的なファンドに多額のファンドが流れたり安定しない世の中となるだろう。

そんな世の中は僕自身嫌いであり、一人でも多くの人が幸せを感じられるように、自分が学んだことをつぎ込んで活きたいと思う。

先週、帰国前に、シリコンバレーで日本に向けて情報発信を長年続けており、ミリオンセラーとなった”ウェブ進化論”の執筆をした梅田望夫氏と30分ほど面談を持たせてもらった。梅田氏が述べている”小さな力の芽を大樹に育てる”との努力に賛同している。

ウェブ上では今までの常識が非常識となる。つまり、このツールを利用して新しいサービス提供が可能であり、新たな産業を生み出すだけの可能性は多大にある。グーグルが年間1,500~2,000億円の研究開発費をかけている。この開発費用の大きさを聞くと世の中が景気後退なのか疑問になる。逆に言えば、景気が悪くても死ななければ可能性は見出せる、である。

JOSSが述べた最後のチャレンジは”Always Stretch Yourself”だ。多少痛くても自らにプレッシャーをかけて、リスクも果敢に取りにいく。その為にも、あらゆる方面から状況を分析し、自分の取れるポジションを明確とし、市場を読み間違えずに意思決定を行わなければならない。

香港駐在時代の友人の言葉を思い出す。

”辛くてもオフィスに行くことをバケーションだと思うようにしている。そうすれば多少気持ちが楽になるし、毎日がバケーションなんてすばらしい人生だと思わないか?”

秋から始まる新たなキャリアをどうするか、愛しの かみさん&娘とも相談しながら、じっくりと時間をかけて考えたいと思う。


ありがとう、スタンフォード。
さよなら、仲間達。

この思い出を一生忘れないように、しっかりと生きていこうと思う。

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2008年7月1日 東京にて
ウェブサイトの更新
スローンプログラムのウェブサイトが更新された。

---> スローン・プログラム

スポンサー関連のサイトは更新されていないが、全体的に写真を多く使い明るいイメージとなった。
DirectorがMarieになったClass 2008より卒業に要求される単位数や成績等変更点はあるものの、実務経験8年以上の会社員、起業家、政府関係者、Non-profit関係者を対象としたプログラムであることに変わりはない。

トップページで紹介されている7枚の写真に僕自身も登場(2枚)しており、自分が既に卒業生の一員となったことを実感する。。。

コロラド州への旅
卒業後に誰よりも早く職場に帰り働いているクラスメートはTrimble社から社費派遣のピートとなった。卒業式の後に1週間のみ休暇があり、彼は、カリフォルニアのスタンフォードから、ラスベガスやユタ州の観光スポットなどを経て、新しい住居であるコロラド州のデンバーまで車旅行をした。

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そんな彼らを追いかけて3泊4日でコロラド旅行を実行した。

ピートのパートナーであるマンディは写真が好きで過去に撮影した写真で商売をしていたほどの腕前。僕の親父もプロのカメラマンだが、マンディが保有しているカメラの数や付属品等はプロ級だと思う。今回も500MMの望遠レンズを持参でロッキー山脈に乗り込んだ。
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ロッキー山脈に生息するエルクの撮影、過去に金鉱街として栄えたセントラルパーク訪問、又その際に炭鉱夫輸送に使われていて現在は観光用となっている機関車への搭乗、多くを経験した。一帯に何も無い少し焦げた砂漠に近い草原に青々とした広い空はコロラド州ならではの絶景だと感じた。又、山岳地帯は森林樹木が生い茂り生命も多く居て、その対照的な映像にも感動した。毎日のように、ピートの新居のバルコニーでお酒を飲んだが、標高4,000フィートの海抜の為か酔いがまわるのが早く睡眠・起床共に早い日程だった。
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スタンフォードに帰る最終日に、マンディーの飛行試験だとの事で最寄の飛行場へ早朝に訪問。到着して直ぐにインストラクターと思われる50歳くらいのアール(Earl)と言うおじさんより変な質問。。。”君は運転席と助手席、今日はどちらが良い?僕も最初の飛行の際には同じ質問を受けた” すかさず”今日はマンディーの試験だとの事で付き添い人として訪問したので後部座席が良い”との回答。。。しかし、”君が運転するんだよ、今日は” この返答が数秒理解できなかった。もしかしてハメラレタ? ふと後ろを見るとピートとマンディが、”やった”とばかり微笑んでいる。 ”K2、この前のカリフォルニアの飛行の際に喜んでいる姿を見た時から考えていた贈り物なんだけど、2人からの卒業記念ギフトだよ。存分にコロラド州の空を楽しんできて。1時間ほどだが、僕たちは地上で待っているから。。。。”

それから1時間、インストラクターと2人で空の旅を楽しんだ。一生忘れることの出来ない、友人からの贈り物であり、又、自分がスロットを握る初飛行となった。機体を平行に保ったり、高度を7,500フィートに維持したり飛行しながら訓練を受けて、着陸して直ちに離陸する”Touch & Go"も経験した。最終的には、その経験も活きて、無事に着陸することに成功した。仕事で多く飛行機に乗っているが、今回だけは違う乗り物に思えた。

感無量のままデンバー国際空港に車で送ってもらい、ピートとマンディーと別れカリフォルニアに帰ってきた。

とうとう明日は日本への帰国だ。
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