STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
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ハーバードMBA留学記
ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて
岩瀬 大輔 (2006/11/16)
日経BP社

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東京大学法学部在籍中に司法試験合格。ハーバード・ビジネススクール(HBS)をHigh Distinction(上位成績5%)の優秀生として卒業。現在はネットライフ企画株式会社の取締役副社長を務めている。今年31歳とまだ若い。

この本を知ったのは、5月に行われた”MBA友の会”で岩瀬さんの講演を聞いた際である。当日はGEの藤森さんと岩瀬さん2人の豪華ゲスト講演であった。

2006年にHBSを卒業するまで忙しいときでもひたすら毎日ブログを書いたらしい。(URL:http://hbslife.exblog.jp/)このブログのエッセンスがこの本に凝縮されている。海外から日本のシステム、日本人、日本の歴史、日本のビジネス、日本の文化等色々な題材で楽しませてくれる。流石に頭脳明晰な方であるので、書いている文章も読みやすい。下手に難しい言葉など使っていない。ビジネスをまったく分らない人でもビジネススクール疑似体験が可能である本である。

本って凄いと思う。2,000円も出さないで、こんな素晴らしい疑似体験が出来てしまう。しかも、HBSのHigh Distinctionと同じ視点での体験である。

岩瀬さん、ありがとう。
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アツイ コトバ
アツイコトバ アツイコトバ
杉村 太郎 (2004/11)
中経出版

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著者の杉本太郎さんは、ハーバード大学のケネディスクールのMPA(Master of Public Administration)を取得しており、現在、就職活動に挑む学生、留学・転職・独立を志す社会人にコーチングを通して支援を行っている。設立した関連会社も多い熱い企業家である。

と言ってもピンとこない。そう、”パッパヤッパタラーララン パッパヤッパドドードドン 私の彼は銀行の男 パヤツパー♪”の歌詞で始まる”私の彼はサラリーマン”で御馴染のシャインズの一員だ。

バブルに踊る世相を反映した歌としてもてはやされ小ヒットした。当時僕は高校三年生だったが、出身大学が慶応義塾大学理工学部と同門であることもあり身近に感じていた。

とにかく多彩な方だ。この本の中に書いてあることも熱い。正直、1時間で読破できる内容であるが多くの”熱い言葉”の中から自分の境遇にあった言葉を数個探せれば費用対効果抜群の本だと思う。ちなみに定価は952円(税別)とお買い得である。

日頃の仕事や生活がマンネリ化している人に喝をいれるには抜群な効果ありである。

John F. Kennedy School
ハーバード・ケネディスクールでは、何をどう教えているか ハーバード・ケネディスクールでは、何をどう教えているか
杉村 太郎、丸田 昭輝 他 (2004/12)
英治出版

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会社の先輩で、且つ留学準備予備校で門下生として共通する点を持っている方である渡辺和成さんが執筆を一部担当している本であり、興味があって購入した。

自分の将来の中長期的なゴールが環境ビジネスでの起業である事を渡辺先輩に述べたところ、ケネディスクールを紹介された。

公共政策大学院の設立構想は日本では未だ発展途上の段階であり(東京大学と東北大学が設立を決めたらしい)具体的なイメージを抱くのが日本人にとってはあいまいであるが、この本を熟読すれば実像を掴むことができる。

僕の周りにも大学院に行っても机上の空論で終わるから実戦で鍛えた方がよい、との方は多い。この大学院でも”知識はあくまでも現実世界に適用するために、もしくは現実世界をより良くする為に身につけるものだ”との強固な信念がある様である。

環境学の著名な研究者でありケネディスクールの教授でもあるウィリアム・クラーク教授の言葉で"idealistic about science and pragmatic about politics"との言葉が非常に心に響いた。つまり、科学的理想主義、政治的現実主義である。環境政策は科学的に有効であり同時に全当事者が受け入れられる現実性が要求されるとのことである。当り前のことであるが言うのに勇気がいる言葉である。

渡辺先輩の言葉を引用する。”ビジネスマンがビジネスだけを学べばよい時代は終わった。規制が特徴的な産業や公共投資が重要な業界において、同政府と対処していくのか。。。。”

もっともである。僕が1999年から香港に駐在して事業会社の出資者としてプロジェクト開発を行っていた総額1,200億円の台山石炭火力プロジェクトは、最終的に利権を中国の有力企業に売却して終わった。大きな要因は中国中央政府の規制の変更である。僕が会社人生で一番”規制”と“ビジネス”の密接な関係を感じた瞬間であった。

先日、国際基督大学の八代尚宏教授の講義を受けた際も、その密接さを強調していた。

人が規制を作る。完全な答えはなく時代の流れによって規制も変化すべきである。規制の緩和、強化を行う際にコンサバな人や利権を保有する人は反対するだろう。どの様にして、変化をハーモナイズさせるかは非常に力を要することであろう。
最後の出張
例によってブルネイ・ダラッサラーム国のプロジェクトで出張。

7月15日の日曜日の早朝便でシンガポール経由ブルネイ行きだった。台風の影響で大幅に成田空港到着が遅れ、JALのカウンターではビジネスクラス満席との事。だがラッキーな事にファーストへの無料アップグレードを獲得。機内では大好きな焼酎”兼八”をロックで数杯頂いた。前回の出張時もシンガポールからの帰国便は無料アップグレード。どうもラッキー続きで気持ち悪い。誰か後ろで退職前の僕を驚かせようとアレンジしているような気もした。

ブルネイへは夜中の1時に到着。いつも普通に会っている人も場所も違って見える。これで最後だとの気持ちがそうさせているのだろう。

この国は色々な思い出がある。思い返せば、1997年秋のクアラルンプルで開催されたエネルギーコンファレンス。偶々、横に座った人がブルネイ電力局の局長さんでブルネイの存在を初めて知った。話し込んだ結果、来年、国家発電プロジェクトの国際入札があるから参加しなさいとの局長の言葉。僕のブルネイとの付き合いが始まった。

社内でも、殆ど知られていない国。上司には”数十年前にブルネイ国の発電所建設の入札に参加したが何も分からないままに他社に落札された。そんな国のプロジェクトをやっても無駄だろう”と言う人さえ居た。

しかし、当時の課長と大先輩の太田氏の3人で表敬訪問から開始した。金持ちの国なので、ブルネイで手に入らない珍しいものを持っていこうと銀座の果物屋で購入した高級な桃やメロンを御土産として持参したりもした。出張を重ね、我が社のみならずパートナーに選んだ日立のプレゼンテーションを行い、客先との良好な関係を構築し、我々のプレゼンスも理解させ、入札では見事”一番札”を取り、2000年に約120億円のガドン発電所を受注した。正直、社内の反対派勢力に対して”受注”の報告は気持ちが良かった。

2000年冬に現在建設中のトゥートン発電所の国際入札発表があり連続受注をモットーとして注力。7社が応札したが、結局、安価でオッファーが可能であるインド企業との一騎打ちであった。このクラスでは世界一の効率を誇る米国General Electric社(エジソンが創業者である時価総額世界トップクラスのコングロマリット)と協調して2001年6月に応札。中長期的な経済効果を盾にインド企業を撃沈させた。撃沈まで約2年の月日を要するしんどく且つ熾烈な戦いであった。

日頃昼飯を食べるキャンティーン、友人と時々飲みに行く隠れバー(イスラム原理主義の国なのでお酒はタブー)、宿泊ホテルから現場までの高速道路、現場の数百人のスタッフの完全に日焼けした顔、どれをとっても しばらくは御無沙汰になってしまう。ボロボロになるまで読みこんだ契約書、毎日の様に提出しているレターの山、どれもに自分の魂が入り込んでおり思いで深いものである。

今回の出張で300以上ある懸案事項のセトルを行ないクタクタとなり、感情に浸る時間も少なく済んだのは幸いであった。

プロジェクトは客先の理由により当初の予定より6ヶ月の延長。プラント完成は今年末となる。来年始めには、今建設中であるブルネイ最大級のプラントが完成し電力供給量も大幅に増える。

三菱重工が建設中であるメタノールプラントへの電力供給も心配無くなる。日本人が建設したブルネイ初の複合火力発電所で発電された電気が、日本企業が出資して建設するブルネイ初のメタノールプラントへ供給される。沢山の”日の丸”日本代表 がブルネイで頑張っている。

留学を終えてアジアに戻ってくる僕にとってブルネイに立ち寄る事は容易な事である。飛行機で飛び夜空から見るブルネイの町並みがより一層輝いている事を願い、ブルネイに”さよなら”を言った。何か胸の奥の方から込み上げて来るものがあった。

きっと、この国を愛していたのだと思う。だから、ここまで頑張れたのだと思う。この気持ちを忘れないように更に飛躍しようと思う。


2007年夏 人生の1ページにすばらしい思い出が残った。


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