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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
日本の企業のケーススタディー
ビジネススクールではケーススタディーを使って過去の事象を検証したり、討論する事業がある。過去の事象には失敗した例、成功した例の双方がある。将来の成功は過去の成功からだけでなく失敗からも学べると言うわけである。

既に かなりの量のケースを呼んでいるが、本日現在、2回も日本の企業が取り上げられた。セブンイレブン・ジャパン(E-Commerceの授業)と玉子屋(Global Operationの授業)である。

前者の際は日本人学生が白熱して発言した。ここぞとばかり、日本人学生の発言が多かった。クラスの皆からも日本人のクラスへのコントリビューションが歓迎された。

本日行ったケースは玉子屋である。

(URL: http://gsbapps.stanford.edu/cases/detail1.asp?Document_ID=2997)

1日に53,000食を製造・配達しており世界最大規模の給食弁当屋である。独自の製造方法、オーダー方法、配達システムにより廃棄ロスを0.1%に抑えていると言う事である。IT社会であるとは言え驚異的な数字である。日本人の管理能力の素晴らしさ故の達成値である。

年商は58億円。原価率が53.5%とコストパフォーマンスが非常に良い。日替わりメニュー1品だけであり2ヶ月間同じ製品は出さない。430円と言う破格の値段で顧客を集め、弁当箱を再利用することにより環境にも気を使っている。弁当箱回収の際に顧客からの弁当に対する意見を聴取し、今後の弁当メニューに役立てていると言う事で他弁当屋、コンビニとの差別化を図っている。

ビジネススクール的に検討すると、①配送システム、②製造方法、の2点においてDual-Response (Demand-Resource Matching)を実現している。

三菱商事から派遣されているYUTAKAと授業の後に立ち話した。僕はこの玉子屋が掲げている”日替わりメニュー1品のみ”との戦略に満足しておらず、顧客重視の戦略を当社が取るのであればある程度のメニューの数に自由度を持っても良いのではとの考え。1品だけでは強いられている漢学が生まれるのではとの懸念だ。

所詮ファミリービジネスから始まった企業。どうやら2代目社長37歳が張り切ってビジネス展開しているらしい。幅広く広げるには追加資本が居る。簡単に事業拡張はコスト増大につながり必然的に弁当の単価を上げてしまう。大手企業が牛耳っているコンビニと競合したら規模の経済で潰されるのは必須である。

全国あらゆるところに点在するコンビニが地域毎に団結して、弁当配送システムを導入したらどうなるのだろうか? 東京に似てビジネスマンが密集している場所、もしくは栄養バランスをコントロールできない海外の学生が密集している場所に上記玉子屋のビジネスフレームを導入したらどうなるであろうか?単純だけど奥が深い食品業界を考えてみる良い機会であった。

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