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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
就職活動
明日提出の自宅受験のレポートが本日完了して、中間試験が終了した。

学校で試験を受けるのは何年ぶりだろう?この年になり試験勉強が如何に大変であるかを体験できただけでも良かった。

アメリカは本日11月4日の夜中に夏時間が終了する。自己調整機能を持っている時計は11月5日になった時点で1時間戻して11月4日に戻る。よって、僕の腕時計とPCの時計に時差が生じている。いずれにせよ、睡眠時間が1時間伸びる。

先週末から就職活動が開始した。ネット関連企業とベンチャーキャピタルの2社とインタビューを行った。どちらも感触は良かった。正直、睡眠不足の状態でのインタビューは厳しいものがあった。

今週末は、海外留学生を対象に行うボストン・キャリア・フォーラムである(URL:http://www.careerforum.net/event/BOS/) 金曜日の夜行便でボストンに飛び、土曜日夕刻にはサンフランシスコに戻る予定。10時間程しか滞在できないが、投資銀行、ネット関連の計4社と面談が入っている。

面談より楽しみにしているのは、MBA受験の予備校仲間との再会である。一瞬しか会えないが、世界に散らばった戦友が久しぶりに終結する。厳しい勉強環境の毎日で、顔つきも変わっているのだろう。。。

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6つの危険な神話
Sloan Programの秋学期のコアは4科目である。1.Economics(Macro), 2.Modeling(Decision making), 3.Accounting(Financial accounting), 4.Organization Bahaviorの4つだ。

4番目にあげたOrganization Behaviorは組織行動学であるが、当該授業にて使用したケースで面白い論文があった。題名は、Six Dangerous Myths About PayでHarvard Business Reviewに掲載されている。(URL: http://faculty.washington.edu/janegf/sixmyths.pdf)

日本語で言えば"6つの危険な神話"だろうか? アメリカの成果主義の行き過ぎに警鐘を鳴らしている。

ケースを書いているのはスタンフォードGSBの名物教授であるJeffrey Pfeffer(URL:https://gsbapps.stanford.edu/facultybios/biomain.asp?id=01684786) である。彼の講演を1回聴きに言ったが、とにかく頭脳明晰な方で使う英語の単語が崇高すぎて会話の30%くらいしか理解できなかった。

6つの報酬に関する神話である。

1. 労働(賃金)率と労働コストは同じ事。
2.労働率を下げれば労働コストも下がる。
3.労働コストは総コストの大半を占めている。
4.低い労働コストこそが競争に勝つ鍵である。
5.個人報奨制度は創造性と生産性を高める。
6.人は金のために働く

一般的にビジネススクールに来る人は、一般的な人間行動に関する経済モデルに基づいて行動する。つまり、人間の行動は合理的であるとの前提で、その時点で得られる情報を基に自分の利益を最大化する、である。金銭的な見返りに重きを置き、報酬が成果に基づくものであると判断すれば十分な労力を提供するのである。

Jeffrey教授は上記ビジネススクールで教えられるモデルを否定している。

神話を打つ砕く為には慣習を打ち破る必要があるとの事だ。つまり、顕著な企業は慣習にとらわれず、周囲の目を気にせずに、自分が正しいと思う"より良いビジネスモデル”を追及していく。報酬に関する神話を打ち砕くことに成功した企業は報酬制度は信頼に基づく楽しい意義のある職場環境には代え難い。

日本企業が誇るべき制度は"運命共同体"的な企業文化だった。しかし、中途半端にアメリカ企業の報酬制度を導入して制度疲労状態となっている気がする。実際に、報酬制度は適切に行われているのか否かは、僕が以前いた会社のみを見ても判断が難しいところだ。

社員は、それぞれ異なる環境で判断をくだして成果をあげる。これを一様に、限られたルールにて絶対評価でなく相対評価となると評価する人間のバイアスがかからざるを得ない。僕は、(評価を受ける側として)ここに納得がいかなかった。

アメリカにも親近感を覚えることが出来る名物教授が居て安心した。


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