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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
自分へのプレゼント
ゴルフのクラブを握ったのは13歳が最初だったと記憶しているが、自らクラブを購入する事も無く、従兄弟や親戚からもらったクラブで満足していた。渡米する際には、ブルネイ国の現場所長から安く譲ってもらったクラブを持参した。

先週、秋学期が終了した次の日に、クラスメートとのゴルフ大会があった。スクランブル方式(4人チームでラウンドし、1打毎にベストのボールを選べる)にて廻り、結果はプラス4でスコアは76だった。2位と4打差で優勝。僕のチームは、メキシコ人のウィリアムと僕以外は初心者で彼と戦略的に攻めた結果の76だ。5ボキー、1バーディーと2度と叩く事のできないスコアだった。しかも、殆どのコースで貢献でき、(自分のショットで)ニアピン賞も手に入れた。開放感からだろうか?普段のゴルフより格段と安定していた。

日本より持参したドライバーが老いてきた事もあり、同級生と共にセール中のゴルフショップへ行き、ドライバーを購入した。秋学期を頑張った自分へのプレゼントとした。

しかし、このドライバーは今までのドライバーと全く違う。

1.jpg

まずは形。写真の様にドライバーには見えない。

次に音。打った瞬間の音が爆発音であり、本来のドライバーの軽快な音でない。

そして、ドライバーの名前も変わっている。ローマ字でSUMOとある。ベタ読みで日本の国技を思い浮かべたが、どうやらスーパーモーメント(超慣性?)の短縮形らしい。

ゴルフのスコアは金で買える。誰かがそう言っていたが、次回のラウンドでのスコアが楽しみだ。

関連URL:Nikegolf
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ウェブ進化論
先日、知人と食事をした際にオープンソースの話で盛り上がった。ソフトウェアのソースコードをネット上に無償で公開し大規模ソフトウェアを開発する方式の話である。

世界中に散らばる200万人近いオープンソース開発者が無償で開発を行なう。この方式により、今までは知的財産として個々の企業が多大な金・人・時間をかけて行なっていた開発が、より効率的に行なわれるとの事である。ネットを通じて知らない人々が繋がりイノベーションの連鎖が起こり素晴らしい生活物が出来上がるとの構造である。

情報産業は、過去10年だけ見ても劇的な変化を遂げており、その変化により消費者である我々の生活にも劇的な変化を与えている。インターネット、PC、携帯電話によりコミュニケーション形態一つをとっても明確である。

知人の大学院の後輩である梅田望夫さんと言う方が出版した”ウェブ進化論”というミリオンセラー本を知人より推奨された。2時間ほどで読破したが、鋭い視線でネット業界の流れを掴み、今後のウェブ(ビジネス)のあり方を語っている。インターネット、チープ革命、オープンソースを”次の10年への三大潮流”と位置づけてリアス世界では絶対に成立しないルールに従いネット世界が発展していくとの説明である。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)
(2006/02/07)
梅田 望夫

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限りの有る資源を有効活用するべく世の中は変化し続ける、とのマクロ経済の中で世の人々か創造しない域でネット世界は変化している。80:20が当てはまらないネットビジネスのマーケティング然り、メディアを凌ぐ叡智の登場が変化の兆候である。

例えば、ガンを治す特効薬など膨大な金・人・時間をかけて開発している研究が上記のように世界の皆で共有し効率的に発明されたら どんなに素晴らしいのだろうと思う。実世界とネットの世界が並行して存在し、その両者が如何に効率的に融合するかは今後の課題なのだろう。人間のエゴや既得権を持つ権力者の妥協はビジネス上でも障害となるし世界の効率化の摩擦係数だ。

ネット世界の情報が実世界を動かす世の中。。。実際に購買をする際、情報検索する際、知らない土地に旅する際にはネット世界の情報に頼ることが多くなっている。今後、ネット世界の情報の信頼性は高まり、又、そのようなビジネスも生まれていく。現状活躍しているWeb1.0企業の生き残り、Web2.0企業。。。。そしてその先に待っているWeb3.0企業の活躍。想像を絶する世界を作り出す企業とは?と考える1日だった。
伝説のベンチャーキャピタリスト John Doerr
期末試験でメールを見る時間が限られており必要と思われるメール意外は全く無視の状態であった。200近く溜まっているメールの整理をしていたら、所属しているビジネススクールのエナジークラブから送付されているメールに出くわした。

どうやら10月にサンフランシスコで開催された"Web2.0 Summit"で講演された内容の見れるウェブの情報で、シリコンバレーでも指折りの成功しているベンチャーキャピタルであるKPCB(Kleiner Perkins Caufield & Byers)のJohn Doerrの講演内容のビデオが紹介されていた。(URL:John Doerr)

ハーバードのMBAホルダーでインテルに勤めた後にKPCBにジョインし、Googleを始めCompaq, Netscape, Symantec, Amazon, Sun Microsystems等数々の優良企業に投資し莫大な利益を得ているファームである。MicrosoftがInternet Exploreを立ち上げるまではウェブ業界をリードしたNetscapeの例を取ってみればUS$4MILの出資がIPO時にはUS$4BILと1,000倍、GoogleはUS$25MILの出資がUS$250BILと10,000倍の規模での儲けである。地球上の資金を単に一極集中化している作業に徹しているのでは?と思いたい位彼らの思うように資金が流動化している。

上記サイトから見れるビデオ中にあるが成功例のみならず失敗例も有る"Friend Star"というソーシャルネットワークを売り抜けなかった例はシリコンバレーにおいても大失敗と言われている。如何にこの業界がギャンブル性が高いものか思い知らされると共に結果膨大な利益を生み出している凄腕に感無量である。

彼はビデオの中でも"金儲けだけが目的でなく、社会貢献に重点を置いている”と言っている。膨大な資金を一極に集めている人が言っている事なので、どこまでが本音か分からないが、実際に米国で最もホットであるFacebookに出資していないのは協調している同業界のFriend Starとの折衝を理由とし低迷しているFriend Starの社員を褒め称えている。又、利益を生むパイではあるが代替エネルギーへの出資、Green PC(貧しい国、地域へPCを安価で与える会社)への出資、抗癌等ライフサイエンスへの出資も行なっており、金儲けは社会貢献の結果着いて来る物であるとの説明を正当化できる土台も作っている。

”企業精神が経済を支えている”、”革新(イノベーション)は勝負の正解を生み出すものであり、敗者は淘汰されていくべきである” 、”イノベーションは必要だが、破壊的な技術革新は望まない” 等重みの有る発言、政治活動は必須である事を認め政策とイノベーションを繋ぐ資金調達係が自分達の使命であり全力投球している、等色々と学ぶものは多いインタビューだと思う。

パロアルトに本格的な寿司屋がオープン
最近全く触れていなかったが、スタンフォード(パロアルト)での食生活は最悪である。独身で且つ料理するのがあまり好きでないのでスパゲティー、カレーライス、焼きうどん、麻婆豆腐、ラーメンなど手間の掛からない食事を家で取るか、もしくは外食だ。

外食と言っても時間的な束縛により、ハンバーガーが主流であり(と言っても流石にファーストフードは絶品ですが)、おしゃれなレストランなど行く暇がない。特にスタンフォード周辺は日本人が少ない為か日本人レストラン自体が少ない。よって、日本一時帰国と聞くと涎が出るほどうらやましい。

本日、驚くべき発見があった。日本の電力会社からシリコンバレーのベンチャーキャピタルに出向している方と昼食を取る機会があった。以前から同じ電力畑ということもあるので 落ち着いて話をしようと言っていた約束が実現したわけである。

昼食は、その方が”是非とも行って見たい店が有る”と言うので賛同した。驚くべき事に、大学近くのカリフォルニアアベニューに新しい日本料理屋がオープンしたのである。

店の外見はとってもシャビーだが、味は絶品。これで食べたい時に日本食が食べれる環境となった。店の名前はJIN SHOと言い、どうやらシェフはNOBU New Yorkで以前働いていた経験が有るらしい。納得できるのは一品一品へのこだわり。(住所:454 California Ave. Palo Alto, TEL: 650-321-3454)

冬学期開始後にクラスメートを連れて本当の寿司の味を体験させようと思う。パサパサしたシャリに得体の知れないネタにも関わらず高値の寿司を本当の寿司と思っているクラスメートに是非とも食べてもらいたい。


WEB2.0からWEB3.0の世界へ
秋学期の期末試験も終わり、山のように溜まっている読んでいない本を読み漁っている。特に先月初めに購入したネット関連の本が中心だ。折角の休暇なので、学校周辺機関や企業の人々とのネットワーキングも欠かしていない。

2005年の夏頃から急速に知られるようになった”WEB2.0”との単語。端的には第二世代のWEBなのだが、非常に掴みどころが無い言葉であるので深く理解する為に"WEB2.0 BOOK"を購入した。

Web2.0 BOOKWeb2.0 BOOK
(2006/03/01)
小川 浩、後藤 康成 他

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世の中はパレートの法則、つまり"2:8の法則"に支配されていると言われていた。たとえば全人口の20%が富裕層であり富の80%は彼らが支配するとの法則。他の例で言えば家の中で出るゴミの80%は部屋の20%の箇所から出る、といった具合である。しかしながら、WEB上でのデータ量が増えてWEBに参加する数が増えると今迄世の中を支配していたパレートの法則が作用しなくなるらしい。これを”ロングテール現象”と呼び、下位80%が売り上げの80%を搾り出す傾向となっている。世界最大のオンラインストアーであるアマゾンの売上分析がこのロングテール現象を証明しており、アマゾンやグーグルなどのWEB企業は上記WEB2.0的サービス提供者の代表格である。


昨日、インド人の友人と食事をした。集まったインド人はシリコンバレーで働くエンジニア達だ。インテル、シスコで活躍するエンジニア、MIT/STANFORD LABのエクゼクティブ・コミッティーメンバー等だ。大学時代にITは研究室で学んだが、それ以降は異なる業界で働いていたこともあり、独特のインド人なまりの英語に加えて話の内容が非常に異次元であったが、会話は大きく分けて2つのキーワードに絞り込まれた。一つは"Wi-Max"、もう一つは"WEB3.0"である。

前者は、高速通信回線敷設が困難な場所において広域をカバー可能な無線通信でありシリコンバレーにおいて関連ビジネスが実際に動き出しているらしい。このネットワークにより公園でPCを開きネット通信が可能であり、自動車で移動中にもネット情報を入手可能となる。グーグルが展開している"Google Net"を思い起こさせた。地域密着型のネットワーク構築も可能となる。例えば、近所のスーパーが大売出しであれば同じ町に住む消費者にとっては必要な情報であるが、数キロ離れた住民であれば関心は薄れる。自分で情報の選択をしなくても地域性との観点であればネットが勝手に選別をしてくれるわけである。

後者のWEB3.0は聞いて驚いた。僕がWEB2.0を完全に理解していないうちに、次世代WEBが誕生していたのである。。。無知とは恐ろしい。MIT/STANFORD LAB(URL: MIT/STANFORD LAB.)の方の説明だと”PC同士の会話が可能となるのがWEB3.0”、との事だ。PCに打ち込んだ言葉をPCが今までの履歴等を参照して判断し、打ち込んだ人に最も必要となる情報をネット上から運んで来てくれるのがWEB3.0だ。例えば、”スタンフォード"と打ち込んだ人が買い物好きな奥さんだと”スタンフォードショッピングセンター”に関する情報が提供され、スポーツ好きな人であれば"スタンフォード大学体育会活動近況”の情報が提供されるといった具合である。確かに優れものであるGoogleを使っていても本当に欲しい情報にたどり着くのに時間や手間がかかり苦労することがある。

日本はネットインフラ的には世界一であるが、サービス面、アイデア出しの面では更に向上する余地が有ると思う。シリコンバレーのWEB企業と、”WEBの中身”で勝負出来るユニークさは十分に兼ね備えていると思う。例えばゲームやアニメは日本はダントツに秀でている。"考える”事が得意であるが落としこむ過程に何かしらの工夫が更に必要なのだと思う。特に公的な場に対して表現する事やマーケティング能力であろう。これが出来なければ起業運営必要となるお金も集まらない。ネット上でのサービス提供者として今後活躍する日本企業が出てくるだろう。日本の特異な製造業ではなく1990年代から伸び悩んでいるサービス業の復活である。そのような企業の成長を伸ばせるような、そんな業種に興味を持ち始めている。
秋学期終了
秋学期が12月12日木曜日に必修科目及び選択科目全ての試験を終えた。これほどまでに開放感に浸れるのは久しぶりだ。前職の仕事も辛かったが慢性的に忙しかったので、今回のインテンシブな多忙さは久しぶりだ。言うなれば学生時代の合宿生活の中日的な開放感である。

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スタンフォードに来て色々な経験をした。何よりも辛かったのは予想以上に言葉の壁が厚かった事だ。日本人の中ではトップクラスの英語力であるが、ネイティブに混ざれば多少英語のしゃべれるアジア人でしかない。パブリックスピーキングのクラスを取り多くの人の前で堂々と表現できる能力が身についたし、より一層自分の中でロジカルシンキングが確実なものになった気がする。自分の努力で向上した事は否めないが、なによりもクラスメートから学んだことが多かった。自分が悩んでいると多くの手が差し伸べられる。なんともハンブル且つスマートな人間が多く、本当の意味で人生で何よりも大切なもの、”かけがえの無いクラスメート”を持つことが出来た。

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既にプログラムの"3分の1"が終了してしまったが、今後も毎日毎日を大切に過ごし、より濃い学校生活となるように多くのことにチャレンジして行こうと思う。生徒会の年間行事記録係も担当しているので、引き続き皆んなの笑顔を沢山記録におさめたいと思う。DSC_0021_20071217044008.jpg


クラスメートから多くのグリーティングカードをもらったが、その中でも非常にうれしかった言葉が大親友からもらったものだ"Glad U like your present. From one small acorn comes a strong tree with roots. Solid foundation and flexible ability at the same time."

このメッセージをくれた大親友はネイティブで、僕が言葉の壁の克服を助けてくれた。学問のみならずクラス行事にも多忙な僕をしっかりと見てくれている。そんな関係から上記のような言葉をもらい考え深いものが有った。

冬休みを どのように過ごすか のんびりと考えようと思う。読書も良し、シリコンバレーで活躍する企業を訪問するも良し、タイマーをかけずにグッスリと寝るも良し。2008年が自分にとっても、家族にとっても、そしてスタンフォードのクラスメートにとっても良い年となるように色々と考えてみようと思う。


統計のはなし
MBAのコアコースで必ずある”統計”は数学の苦手な人にとって苦しい課目だと思います。統計により導き出されたトレンドを利用して、規則を定めたり、もしくはビジネスのマーケティング戦略等の意思決定を行うことは稀ではなく日常茶飯事に行われている行為である。

意思決定を行う人が統計を知らないと、計算結果の数字のみに囚われて大きな過ちを犯すことも過去に多々あり、今現在でも起こっていると思われる。

例えば、簡単な例を言うと:

”カリフォルニアの平均気温とハワイの平均気温は同じである”、との資料があり”気候的には同じなんだ”との認識をしてはまずい、との事で、上記平均値を決定した要因(標本)のバラツキを見るべきだとのことである。4とマイナス2の平均は1であるし、1と1の平均も1である。

又、標本がどのように採取されたかも重要である。ハワイでの標本採取は午前8時に対して、カリフォルニアの標本採取は午後の1時であれば両者が比較できる対象ではなくなる。

統計を1時間で理解したい人にお勧めの本です。留学中の学生は英語にて統計を学ぶ一方で、この本は日本語のみです。ある程度、自分の頭の中で訳しながら読んでもいいかもしれません。

統計のはなし―基礎・応用・娯楽 (Best selected business books) 統計のはなし―基礎・応用・娯楽 (Best selected business books)
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日科技連出版社
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グーグル Google 既存のビジネスを破壊する
ビジネススクールの必修科目の1つであるマクロ経済学(おそらくマイクロ経済学と共に学ぶ)は、世界の経済の流れを掴むのに役立つ学問である。

一見、机上の学問に感じるが、ビジネス界で実践を積んでいる人には違った視点で理解が出来ると感じている。

"規制の無い自由経済において、世の中は効率的な方向に動く"と授業の一番始めにFlanagan教授(URL:http://gsbapps.stanford.edu/facultybios/biomain.asp?id=07037724)が我々に述べたのを覚えている。

ケーススタディーやビジネス出版物を見ている内に、一見机上の話であると思われる経済学に沿って急速に世界が動いているとの理解が出来る。

世界のビジネス形態を抜本的に変えている企業は、間違いなくGoogleだと思う。非効率的なビジネスに風穴を開け、効率的な世の中を形成する。Googleニュースやキーワード広告によるビジネス成功例が燎原の火のように広がっている。

消費者にとって効率的であるべきなのに、そうなっていないビジネスが存在する。非効率な業界は効率化し、その為に職を失う人は必要とされる業界を活性化する。このような流動化は今後の日本でも重要となる。留学前に”流動化"の重要性は国際キリスト大学の田代教授から講義を受けた。

グーグルに関する知識を深めたい、もしくは、ネットビジネスに精通したい人にお勧めの本です。

グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する  文春新書 (501) グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)
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