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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
日本の位置づけ
先日、以前勤めていた商社の事業会社の社長(Y氏)とメール交換をした。

Y氏は、本社にて至上最年少の取締役になった方で、当時(8年位前)は我々の部隊としても非常に鼻が高くなる思いをした記憶がある。Y氏は、米国会社や欧州会社の社長も勤めた経験も有り、僕よりもはるかに広い視野・経験・人脈を持った方だ。慶應大学繋がりということもあり、かわいがってもらった。しかし、とにかく厳しい方だった。最近は、日本に拠点をおいて忙しく海外出張も以前と比較すると少ないようである。

その会話の中で、社内政治の話、海外から見た日本、日本人・日本経済の今後、等の意見交換をした。海外駐在や長期出張に出ると日本社会が第三者的に見えるが、Y氏にしてみれば、僕の現在のように学生をしながら日本を第三者的に見れる位置にある視点が珍しく意見を求められたのだと思う。

Y氏は米国会社社長のみならず、西海岸の駐在経験もあるので米国が見る日本の経緯は長期にわたり認知している。Y氏はメールにて"Japan Nothing"に関して触れており危惧していた。数十年前に遡れば"Japan Bashing"の時代もあったが"Japan Passing"が長く続き、近い将来"Japan Nothing"となるのではとの危惧である。

僕の意見としては日本の外に対するメッセージ伝達能力の弱さ、国際社会の中での競争に対する意識の薄さ、に弱さはあるものの日本人の勤勉性や平均的に生産能力の高い国民性等他の国を圧倒する点はあるのでNothingにはならないと回答した。

会話の中で一番興味深かったのはY氏が使った”島国”との表現である。日本経済が良くなってきており、島国の中でリラックスしてしまっているとの意見だった。確かに好景気だと対外的よりも内部的にエネルギーを注ぐようになってしまう。アメリカ人を見ていると、やはり日本人やアジア人は農耕民族であり、狩猟民族とは全く異なる生き物なんだと感じる事がある。

”島国”や”農耕民族”のDNAは、上記の日本人、日本社会の欠点というか弱い部分と密接に関わっているんだと思う。本当の意味で”国際性”を理解して、ビジネス界においては、それにそって戦略を立てて実行できれば、今以上に日本のプレゼンスが上がるのだと感じている。
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