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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
ヨーロッパでのビジネス
最近、就職活動で色々な業界の人と話す機会がある。学生故の特権だと思う。

アングラ卒業後の就職活動は、2週間程真剣に就職活動を行ったのみで、正直、色々な業界の人と学生の立場で話す機会は少なかった。”発展途上国に発電施設を作り、街を明るくする”との商社マンの言葉に惹かれ、商社以外まったく興味が無くなったからだと思う。

起業系の授業でシリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)がヨーロッパにて成功したケースを勉強した。ベンチマークというシリコンバレーでは有名なVCで、ヨーロッパの次はアジアということで中国に投資するか否かのケースだった。

中国の話はさておき、ヨーロッパに関してこのごろ非常に興味深い情報が入ってくる。自分が東南アジア一色のビジネス経験だからかもしれないが、ヨーロッパは思った以上に面白い市場だ。最近は二酸化炭素排出権で世界をリードしているが、興味があるのは経済の構造だ。

自分がビジネスを共に行ったヨーロッパ企業は大企業が多いが、実際の経済復興の立役者は中堅企業であり、日本経済の大企業牽引型の構造とは全く異なるらしい。

優れた中堅企業1,200社のみを見ても、1995年からの10年間で雇用の創出で言うと中国並みの年率9%の成長を遂げており、又、経済復興の牽引役となっている輸出は世界の大国と比較しても強さは目立ち、売り上げでみると上記10年間で150%増と驚異的な数字だ。世界的なシェアも伸びているという。特許数に関しての統計も従業員1,000人に地足手30.6件とすばらしい数字であり、R&D費用が如何に効率的に結果を生み出しているかがわかる。VCがヨーロッパで成功した根底には、このような起業家を鼓舞するビジネス環境が整っているのだろう。

今日の起業系のクラスで海外進出に力を入れているVCのパートナーの人と話す機会があったが”日本経済は大企業牽引型であり、政府も起業に対する保護や補助が足りない”と言っていた。間接的にしか日本を見ていない人だと思われるが、かなり凹むコメントだった。当たり前のように出てくるインドや中国に加えて、イスラエルやヨーロッパでのポートフォリオを視野に入れている。

日本は、GDPで言えば世界2位の経済大国であるが、大企業が大きな力を持ち、新しい企業が育ちやすい環境に無いのは確かなのだと思う。それで裕福な生活レベルを保っているが、安心できない要因は多々あると思う。実際に日本企業のマーケット・キャピタルの低さが、将来への不安を暗示している。株価はファンダメンタルと需要で決まるが、日本企業であればファンダメンタルが株価に反映するほうが大きいと思うので尚更だと思う。

自分たちのビジネスを守ろうとするが為に、内向的になりがちで国際競争から取り残される可能性が大きい日本。しかし、いずれにせよ、近い将来、僕たち若い層が将来日本を支えていかなければならない。その為には、過去の日本人が取り組んだように”チャレンジ精神”を保ち本当の競争に立ち向かっていかなければならないのだろう。強い意志を持ち、創造力を磨き、それを実行に移してフレーム化していく。島国根性でも良いから真っ向から勝負できる日本を創ってみたい。

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