STANFORD GSB留学記
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バイオ燃料
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”バイオ燃料は環境に優しい” 殆どの人が信じている言葉である。世の中の誰かの目論見でメディアを通して情報を発信し、その真偽を確実に見極めないうちに一般市民の中で"常識”となってしまう例だと思う。

本来、食品として生産されていた農産物がバイオ燃料として市場で売られている。米国政府は2020年までに、360億バレルの国内バイオ燃料生産の義務化を決定し、その内の150億バレルは”とうもろこし”から抽出するエタノールと義務づけている。

この”とうもろこし”に注目である。

英語ではとうもろこしを"CORN"というが、”MAIS"とも呼ぶ。このMAISの発音を用いて、アメリカ国家が発令したバイオ燃料に関わる法的規制を ”MAZE(迷路)”と呼んでいる人もいる。つまり、”なぜ とうもろこしから生成されるエタノールを奨励し義務化するのか?”との大きなクエスチョンマークが迷宮化する訳である。単純に言えば、そのような結果になった背景には米国国内の強大な力が存在することを示唆する。食料連鎖にて数字を見てみると

2 pounds of corn = 1 pound of chicken
4 pounds of corn = 1 pound of pork
8 pounds of corn = 1 pounds of beef

となるらしい。但し、トウモロコシから生成されるエタノールを定量的に表すと、1エーカー当たり440ガロンのみらしい(150 corn bushel per acre, 2.8 gallon ethanol per one corn bushelからの計算) トウモロコシから抽出されるエタノールは非効率であるので、エタノールを精製することにより上記の方程式により鶏肉、豚肉、牛肉の生産量が減り物価上昇に繋がるとの流れだ。

技術開発が行われている食料ではないセルソースからのエタノール生成は2,000gallon/acreと圧倒的に生産効率が良いし、現状の技術を使ってではブラジルが力を入れているサトウキビからのエタノール生成は非常に効率が高いらしい。但し、ブラジルのみならず海外から輸入されるエタノールには54cent/gallonの輸入税が課されアメリカのエタノール市場での競争力がそがれる仕組みが作られている。守られる市場、守られる国民、守ることにより支持を集める政治家。。。

効率はさておき、地球環境問題にサトウキビが貢献するか否かの数値が多くの機関から出されているらしいが、サトウキビからのエタノールが"二酸化炭素排出を30%削減"に対して、トウモロコシからのエタノールのそれは”ゼロ”らしい。迷宮入りが意図的であるにせよ、こんな対応でよいのか非常に疑問である。

世界的な食糧危機に対処するため、6月3-5日にローマで「食料サミット」が開かれる。飢餓に苦しむ発展途上国を救済する為の短期的措置、穀物などを原料とするため価格高騰の一因と指摘されるバイオ燃料の生産に関する国際指針づくりを中・長期的に検討していくらしい。

世界規模でバイオ燃料づくりに関する指針の決定が期待されており、当該食料サミットでの決定は、7月のG8サミットでの議論の土台ともなるらしく非常に注目されている。

マーケットとノンマーケットの力が融合したバランスの取れた指針に期待したい。

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