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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
コロラド州への旅
卒業後に誰よりも早く職場に帰り働いているクラスメートはTrimble社から社費派遣のピートとなった。卒業式の後に1週間のみ休暇があり、彼は、カリフォルニアのスタンフォードから、ラスベガスやユタ州の観光スポットなどを経て、新しい住居であるコロラド州のデンバーまで車旅行をした。

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そんな彼らを追いかけて3泊4日でコロラド旅行を実行した。

ピートのパートナーであるマンディは写真が好きで過去に撮影した写真で商売をしていたほどの腕前。僕の親父もプロのカメラマンだが、マンディが保有しているカメラの数や付属品等はプロ級だと思う。今回も500MMの望遠レンズを持参でロッキー山脈に乗り込んだ。
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ロッキー山脈に生息するエルクの撮影、過去に金鉱街として栄えたセントラルパーク訪問、又その際に炭鉱夫輸送に使われていて現在は観光用となっている機関車への搭乗、多くを経験した。一帯に何も無い少し焦げた砂漠に近い草原に青々とした広い空はコロラド州ならではの絶景だと感じた。又、山岳地帯は森林樹木が生い茂り生命も多く居て、その対照的な映像にも感動した。毎日のように、ピートの新居のバルコニーでお酒を飲んだが、標高4,000フィートの海抜の為か酔いがまわるのが早く睡眠・起床共に早い日程だった。
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スタンフォードに帰る最終日に、マンディーの飛行試験だとの事で最寄の飛行場へ早朝に訪問。到着して直ぐにインストラクターと思われる50歳くらいのアール(Earl)と言うおじさんより変な質問。。。”君は運転席と助手席、今日はどちらが良い?僕も最初の飛行の際には同じ質問を受けた” すかさず”今日はマンディーの試験だとの事で付き添い人として訪問したので後部座席が良い”との回答。。。しかし、”君が運転するんだよ、今日は” この返答が数秒理解できなかった。もしかしてハメラレタ? ふと後ろを見るとピートとマンディが、”やった”とばかり微笑んでいる。 ”K2、この前のカリフォルニアの飛行の際に喜んでいる姿を見た時から考えていた贈り物なんだけど、2人からの卒業記念ギフトだよ。存分にコロラド州の空を楽しんできて。1時間ほどだが、僕たちは地上で待っているから。。。。”

それから1時間、インストラクターと2人で空の旅を楽しんだ。一生忘れることの出来ない、友人からの贈り物であり、又、自分がスロットを握る初飛行となった。機体を平行に保ったり、高度を7,500フィートに維持したり飛行しながら訓練を受けて、着陸して直ちに離陸する”Touch & Go"も経験した。最終的には、その経験も活きて、無事に着陸することに成功した。仕事で多く飛行機に乗っているが、今回だけは違う乗り物に思えた。

感無量のままデンバー国際空港に車で送ってもらい、ピートとマンディーと別れカリフォルニアに帰ってきた。

とうとう明日は日本への帰国だ。
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変人力
優秀な社員を駄目にしてしまう会社は少なくないと思う。

会社組織の中に埋もれて、本来あるべき目標を経営者や管理職の人達が失ってしまう、もしくは意図的にプライオリティーを下げて自らのポジションを守ろうとしてしまうのが原因だと思う。”事なかれ主義”とか”フリーライダー”とかが典型的な駄目な例だと思う。しかしながら、それでも組織が機能している場合がある。守られているからである。

久しぶりに良い本に出会えた気がする。HBSからBCGに移り外資系IT企業を数社経験した後にダイエー社長に就任した樋口氏の本だ。過去の栄光に囚われ本質的な事を変えようとしない組織に飛び込み、泥臭い業務を遂行して自ら設定したゴールを達成させた。組織力、戦略力、変人力の3本柱で多々経験した苦労やブレークスルーを紹介する。コンサル経験者ならではの鋭い洞察力と、現場主義から派生する数々の問題や解決策は、外部環境が急速に変化して取り残されがちな組織・会社に勤めている人たちには非常に参考になるエッセンスが詰まっている。

ビジネススクールの組織論(Organization Behavior)や人的資源管理論(Human Resources)でのケースでも学んだが、”社内環境”を変化させる事は簡単ではない。特に過去に成功している人達が多い組織では新しいことを行うことへのインセンティブがマイナスに働き、外部環境が急激に変化するマーケットでは取り残される。社内の評価制度等が短期的な指標中心であれば尚更である。

変人力―人と組織を動かす次世代型リーダーの条件変人力―人と組織を動かす次世代型リーダーの条件
(2007/12/07)
樋口 泰行

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つい最近、日本の若者を対象に行ったアンケートにおいて顕著となっている ”尊敬する大人が居ない”とか”見習いたい大人が居ない”との日本の社会現象は、変革を恐れる人達に問題があるのかと思う。自分も含めて今後日本社会を背負っていく世代にとっては、毎日ルールが変わるビジネス環境にて戦略を構築することが求められると思う。昨日の常識が明日の非常識になる事も当然となる。そのような”非常”を確りと受け止め自らが設定するゴールに向けて日々精進したい。

祝福のメール
知人のみならず、小生が知らない読者の方々から多くのお祝いのメールを頂きました。ブログ上にてメッセージを頂いた人にも全て返信しました。

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正直、タイム・マネージメントが厳しい状況下で書いた時期を思い出します。特に最も忙しい冬学期の2月には毎日ブログを書くことを心がけて1日も休みませんでした。ブログを書かずに睡眠時間を伸ばすことも出来たのだろうが”初志貫徹”で、眠くても書き続けました。

色々な意味でビジネススクールへ行けない方、留学することが出来ない方が居ると思います。特にそのような方は、僕が書いた内容から何か感じ取ってくれたり、何か行動する原動力になっていればうれしいです。

これからは、米国を発ち日本へ戻り感じること、留学中に習得したものの自分なりの集大成、次のキャリアの決定等が自分を待っています。

ビジネススクールを卒業してしまった以上は、このブログも残すところ数回だと思います。


自分が経験して感じたことを最後まで書き残したいと思います。
直感を信じる
ビジネススクールの卒業式の次の日はスタンフォード大学全体の卒業式だった。つまり、学士・修士・博士課程の学生が一堂に集まる盛大なるイベントだ。ビジネススクールのみでは400人をちょっと超える人数だが、大学全体の卒業式となると数千人にはなる。特にアングラ(学士)のバイタリティーあふれる行動には圧倒された。

卒業式の目玉は有名人によるスピーチだ。毎年、有名な方が訪れるのでスタンフォード大学関係者のみならず近所に住んでいる人々まで訪れる。

今年のスピーカーはOprahさんだった。日本ではあまり知られていないが、アメリカにおいては超有名人。彼女の”Oprah Winfrey Show"は、アメリカ国内のトークショウ部門で最も高い視聴率を稼いでいる。彼女自身の巧みなトークも見所の1つであるが、会場に訪れた観客に豪華なプレゼントが渡されることも番組の特徴だ。卒業式のスピーチの中でも気をひきつける為のジョークとして用いたが、彼女は、以前、訪れた観客一人ひとりに車をプレゼントした。アフリカ系アメリカ人として初のビリオネアーらしいが、慈善活動に費やしている金額も相当な金額であり多くの人から尊敬されている女性だ。

当日のスピーチはこちらから --> Oprah speech at Commencement Ceremony

Class of 2008の卒業式風景(2時間超あります) --> Commencement Ceremony

簡単に彼女のスピーチを纏めると下記3点だ。

1.自らの感じた事に忠実となれ。
2.失敗から逃げず、失敗から学び自らを改善すべし。
3.人の為に生きて真の幸福を得るべし。


2005年の卒業式のSpeechはSteve Jobsだったが、やはり直感を信じることを強調している。卒業生が新たな人生を歩む上で始めの第一歩は大切だ。OprahもSteveもそのような人々に贈る言葉であるが故に”直感”を信じて始めの第一歩を堂々と踏み出すように促しているようにも聞こえるが、正解の無い世の中においては自身をもって自らのフィーリングや思考に従って行動することが大切なのだろうと思う。

2005年のSteve JobsのSpeechはこちらから --> Steve Jobs Stanford Commencement Speech 2005
STANFORD GSB 卒業式
人と会って、その人との別れがあるように、何かを始めると必ず終わりがある。その終わりを楽しく感じるか、悲しく感じるか、もしくは終わりたくないと感じるかは、その人がその出来事もしくはあった人々との経験をどのように感じているのかだと思う。

卒業式を意味する英語の"Commencement"にもそのようなニュアンスが含まれている。”卒業式”という意味と”始まり”の両方を含んでいる。つまり、スタンフォード大学での勉学の終了は、同時に、新たな扉を開き、自分の次なる人生やビジネスへ飛び立っていく、との事である。

本日は待ちに待った卒業式。今年から卒業の条件が厳しくなった事もあり、卒業できるだけの単位を取ることは容易ではない。クラスメートが選ばれてきた人だけに気が抜けない日々が続く。自分の母国語で同じ質の授業が受けられれば、どれほど楽なんだろうと現実離れした発想を持ったこともあった。しかし、常に目の前の障壁と向き合って解決し続けたことが卒業に繋がった。春学期の成績も冬学期や秋学期と比較して格段に良くなった。
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山ほどあるリーディングを短時間でこなす技や、少ない情報の中で分析し、レポートを書く能力の向上、人とのコミュニケーションの取り方など、多くの事が変わった。確実に渡米当時の自分が若く見える。

スタンフォードビジネススクールのPh.D、Sloan、MBA合計で約450人が卒業できた。

卒業式の風景が録画されて、ネットにて見ることが出来る

--> GSB卒業式

合計120分近くの卒業式だったが、非常にスムーズで、荘厳な雰囲気の中で、最高の式に参加できて、幸福感を感じると共に自分が成長したことを感じた。
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GSBのDeanであるJossが4つのチャレンジを我々に贈ってくれた。

1.スタンフォードの卒業生の一員として、スタンフォードのすばらしいアンバサダーとなって欲しい。
2.学問の基礎がスタンフォードにあることを忘れずに自己研磨に励んで欲しい。
3.自らの利益のみを考えずにコミュニティーへの貢献を考えて欲しい。
4.限界まで自分の能力を引き伸ばし、果敢にリスクに挑戦して欲しい。

全てが是非とも実践すべきことであり、これからも成長し続ける

もっとも大切なこと、それは今までの自分を支えてくれた人達である。Jossは、そのような人たちに是非ともPPTSBSとの名の学位を与えたいと述べた。PPTSBは、Puting Partern Through Stanford Business Schoolの略である。

これからも、見守り支えてくれた人達に貢献できるように、自分自身がスタンフォード大学から学んだことを社会に貢献できるように、切磋琢磨し、スタンフォードのネットワークをフルに使い、果敢に限界に挑戦したいと思う。Jossが今日述べたように、常に自分にCold Callを行う姿勢にて残りの人生にチャレンジしていきたい。
浪漫飛行
幼い頃の夢は”パイロットになること”だった。
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幼い頃、毎年夏休みは父母の実家である大分県で過ごした。当時の”東亜国内航空”にて毎年旅しており、飛行機が短時間で遠いところに人を連れて行くすばらしさ。パイロットになれば世界中のどこにでも行くことができる事に興味を持ったのだと思う。結局、日本の航空会社に入社することは出来ずに海外で活躍することが可能である総合商社への道を選んだ。

パイロットの免許を持っているクラスメートが数人居て、卒業前に一度でよいのでセスナに同乗させてもらう事を懇願していた。本日、その夢が実現した。パロアルトを発ち、スタンフォード大学上空をしばらく飛行してからハーフムーンベイ方向に西へ飛び、その後は北上して、ゴールデンベイブリッジを横切り、アルカトラズ島上空を旋回して、サンタクルーズの山火事も上空から見ることが出来た。

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幼い頃に持っている、もしくは、もっていた”夢”を考えてみた。自分の能力やら周辺状況を顧みらずに大きな夢を持つ人が大半だった。人間は経験を積んで賢くなるにつれて大きな夢やゴールを設定しなくなるのだと思う。家庭を持ったり、ビジネス社会に突入すると、リスクをとりたくない人にとって”安らぎ”ほど心地よい薬は無い。一定の給与が保障されており、終身雇用が約束されていれば裸一貫で事業を興したいと思わないと思う。

危機に直面したときに逃げ出さずに、如何に危機を楽しむか、その経験から何を学ぶかは重要だと思う。どんなに凄い人でも幾度もの修羅場を潜り抜けて差別化できる地位を築いている。ハングリー精神を保ちながら、夢を持ち続けて、自分や周囲を変えていけることはすばらしいと思う。又、子供の様にピュアな気持ちで夢を持てることは大人になっても実践したい事だ。

常に手が届きそうで届かない場所に夢やゴールを設定してステップ・アップしている。スローンの日本人同級生とも共感できたのだが、常にステップ・アップし続ければ、超秀才な人材にも勝る事ができると信じて生きている。

飛行機の上から見た地上は考えるものがあった。普段のスケールより格段に小さく見える街、そこで営われている人々の生活。。。その中に閉じこもってしまうとマクロ的な観点から物事が見えなくなる。物理的に上空から見ることは常には出来ないが、そのような感覚で今後の人生を歩む事が出来ればよいと思う。スタンフォードで学んだことを活用できれば尚良いと思う。
Academic Synthesis
クラスメートのピートと共にプログラム中に学んだ必須科目及び選択科目のレビューを行った。約3時間でクラスルームのホワイト・ボードに書きまくり、最終的には文字でビッチリとなった。

学期が始まると復習を行っている暇は無く、常に予習を行わなければならない。僕自身は、今までのアカデミックな人生、”予習+復習"の勉強方法だったので、”学んだことを振り返らず、学びながら着実に身に付ける"との勉強方法は、かなりの抵抗があった。秋学期の始めはリスニングで後れを取らないように録音機で授業中に録音していたが(わざわざ留学後にかみさんに日本から託送してもらった) 結果的に、上記のような状況下において活用するだけの時間が無かった。

秋学期のコアであるアカウンティング、組織論、経済学、モデリング、冬学期のコアであるファイナンス、マーケティング、戦略リーダーシップ、春学期のコアである戦略管理学、人材活用戦略、非市場学、リーダーシップ論、計11科目の重要なフレームワークの見直し、キーワードの確認を行った。卒業式前で忙しい為か結局ピートを入れて3人しか集まらなかったが、非常に意味のある時間を過ごした。卒業後に更に時間をかけて自分自身がTake Awayと考えている内容、完全に理解できていない、もしくは読みきれなかったケースの見直しを行おうと思う。

留学する前に多くの人から”ビジネススクールに行って頭でっかちにならないように”と言われた。実際に多くの事を学ぶが、実際のビジネスの世界ではフルに活用できないとの観点からのコメントである。実際に全ての修士課程を修了し、今回のAcademic Synthesisでのレビューを通して、活用できるか否かは、その人次第だと思う。無駄なことは全く学んでいないし、フレームワークを使って更に高い次元から物事を見ることが出来る能力は反射神経的についていると思う。秋学期のコア授業であるモデリングの授業にてジェフ教授が言っていた”もし、2次元の世界を完全に理解したいと思うのであれば、その次元内にて理解しようとせずに、一つ高い次元から2次元の世界を見るべきである。同じ次元に居ても全てを見渡せないし理解も出来ない”と。。。

ビジネススクールが保有する膨大な量のケースへのアクセスは学生のみ無料で行える。つまり、卒業生となると、しっかりとお金を取られることとなる。自分の興味のある業界もしくは分野のケースのダウンロードを小まめに数日かけて行おうと思う。
やり残さない為に
合格をもらったビジネススクールの中からスタンフォードを選んだ理由は多くある。アジア諸国からの距離、エネルギー政策でグローバルな流れから外れていないカリフォルニア州に位置すること、ベンチャー企業をを育てる土壌がしっかりとしており日本の経済の牽引方法と全く異なる為に学ぶべきことが多くあると感じたこと、カリフォルニアの太陽が眩しく感じたこと、沢山ある。

その中でも決定的な要因となったのは”多くの起業家が存在するシリコンバレーに近い”だと思う。

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元々西海岸のサンフランシスコ近辺は1849年がピークとなったゴールドラッシュ期にも見られるとおりアメリカンドリームとも言える一攫千金を求めて海外から多くの人が移住した。サンフランシスコのアメリカンフットボールチームが黄金色のユニフォームを着てチーム名が"49's"であるのも上記1849年のゴールデンらラッシュに由来している。この地では、業界こそ異なるが、常に起業のメッカであり、ヒト・カネ・チエが備わり、新しい市場を創り上げてきた。半導体業界をリードしたインテルを中心にシリコンを基にハイテク製品が製造され、シリコンバレーとの名前がつき、その後、同じ土地に置いてヤフー、シスコ、ヤフーなどネットのベンチャー企業が、新しい業界を創造して、マーケットを牽引してきた。

ネット業界に詳しく、時代を先取りして日本社会にアメリカの最先端の動きを発信している方がいらっしゃる。ウェブの世界には精通しており、彼の出版に対する市場からの評価は高い。以前から一度お会いしたいと思っていたが、やっとアポが取れた。今月末に時間をあけてもらえる予定だ。

我々の生活、ビジネスの優位性などをガラリと変えたウェブの世界。又、今後も進化し続けるウェブの世界。グーグルが圧倒的に優位な御時勢であるが、今後のウェブ世界の展望、並びにプレーヤーの変貌に関して色々と意見交換をしたいと思う。多くのビジネスにおいてウェブを理解し活用することがビジネスでの生き残りを左右すると思う。つまり、ネットから得られるリバレッジをトゥールではなくウェポンとして活用できるか否かを理解することは企業の戦略上、かなり大きなウェイトを占めるのだと信じている。
今を生きる
毎週金曜日恒例の映画鑑賞にクラスメートと5人で行った。

先週は期末試験中で楽しめず、2週間前はインディアナジョーンズに見事にはずされたので、”今週こそは”と思っていたのだが、結局 アニメーションである”カンフーパンダ”となった。既に観に行ったクラスメートから何故か反響が大きかったので多少は期待していた。

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Kung-fu panda trailer (右下のwatch trailerをクリック)

笑いが止まらない映画だった。映画が終わって観客から拍手が聞こえる映画は久しぶりだった。

映画の中で非常に気になるフレーズがあった。

The past is history, the future is mystery, and this moment is a gift. That why it is called to be the “present”. 日本語に訳せば、”過去は歴史。未来は神秘。そして今この瞬間は贈り物。だから「現在」(present)のことを「プレゼント」(present)と呼ぶ” となるのだろう。

映画の中では、自分の能力不足故に不甲斐なさを感じているカンフーの修行をしている弟子に、師匠がこの世を去る前に残す言葉である。カンフーの達人になるのに秘訣は無い、ただ己を信じて精進するのみ。。。

単純な言葉だが今の自分にとっては重い言葉だった。”今を生きる” この瞬間を与えてくれた事をプレゼントだと思って生きる。そう言えばCorporate Financeのパーカー教授も言っていた。”価値を作り出すのがCEOの仕事であり、今後の我々の使命となる。但し、価値を評価するのはマーケットでもあり自分でもある。その評価方法が異なる場合もある。但し、自分の信念を通せば成功する事例もある”と。。。

以前も娘が見ている日本の教育歌番組の歌詞で感ずるものがあったが、このフレーズからも思い知らされるものがあった。
修士課程終了 !
クラスメートのシャンカーと共に春学期行ってきた代替エネルギーのリサーチ・ペーパーを終えてジェフ教授へ本日の昼に提出。春学期取得していた全ての期末試験・期末レポートを終えた。これにより、修士課程全教科のアサインメントが終了。達成感を感じると共に、緊張感から開放され虚脱感までをを感じているような不思議な気分だ。

10ヶ月を振り返ると本当に多くの経験を積んだと思う。ネイティブでさえ音を上げる程の量のリーディングをこなさなければならない毎日、リーダーシップの強い仲間同士の意見の衝突、又それを回避しながら纏めなければならないチームベースでのプロジェクト履行、点数稼ぎのための授業中の発言量と発言の質の向上、忙しい中でのネットワーク作り、卒業後の就職の為のリサーチ及びインタビュー。。。現実から逃げ出したい場面も多くあったが、環境がそれを許さなかったのと、周りの多くの人が支えとなって、ここまでこれたのだと思う。

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早朝に通学路であるフーバータワー横を通過した際に、スプリンクラーから飛び出している水が朝日を浴びて輝いていた。この時期は完全な乾季で雨が降らないので朝と夜にキャンパスの緑のある至る所で水が撒かれる。渡米した当初から、この光景が好きだった。夜は該当もしくは月の光に照らされたスプリンクラーの水、朝は太陽に照らされたスプリンクラーの水が何とも言えない空間を作り出す。

勉強に疲れて、一日中ネイティブと英語を話してクタクタになって、夜中に学校から帰る際に見た光景が甦る。。。今朝は、ここまで積み重ねてきた時間と経験の為か清々しい気持ちにて光景を楽しめた気がする。

卒業式まで1週間。今までやり残してきた多くの事を片付けていこうと思う。
民主党の大統領候補指名
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昨日、民主党の大統領候補指名争いに終止符が打たれた。

オバマ氏が、選挙開始時には本命と言われており、ファーストレィディーの経験のあるヒラリー上院議員に競り勝った。米国の主要政党の代表として黒人候補が大統領選に臨むのは史上初めだ。

昨日の演説の中で ”われわれは一つの歴史的な旅を終え、これから 新しい別の旅を始める」と述べた。選挙活動中、常に"Change we can believe in"をアメリカ国民へ訴え続けた。オバマ氏の勝利宣言ともなった「私が今晩、あなたがたアメリカ国民の前に立ち、アメリカ合衆国の民主党大統領候補になると宣言することができる」との言葉にはアメリカ国民も感銘を受けたようだ。

クラスメートの父親がNYCから訪れており、仲間6人で一緒に夕食を楽しんだが、その際に、オバマ氏の演説(6月3日)を皆でをテレビで見た。クラスメートが声をそろえて ”このような感動的な場面に生きていることを誇りに思う”と言っていた。アメリカの政治的・経済的な立場からのリーダーシップが弱くなってきていることを肌身にて感じているだけに期待感も大きいのだと思う。

あと1ヶ月で米国を離れるが、今後も世界を色々な意味で牽引していくアメリカがどのようにリーダーシップを発揮していくのか、そして(ほぼ確実にアメリカ大統領になるであろう)オバマシが黒人初の米国大統領としてアメリカをどのように変えていくのか見ていきたいと思う。

最後の授業
月曜日は、スローンの必修科目であるHuman Resource(HR)とGSBの選択科目であるCorporate Finance(CF)を取っている。双方共に本日が最終授業だった。おそらく、僕自身の人生において大学院で受ける最後の授業となると思う。非常に感慨深いものがあった。

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HRは、各スタディーグループが実体験を基にケースを作成し、クラスにてプレゼンテーションを行った。我々のチームは南米で成長が見込まれる地域への格安航空ベンチャー企業をテーマにプレゼンテーションを行った。ケースとプレゼン資料作成に1週間ほど費やした。チームワークの集大成となったとチーム内で賞賛しあった。

CFは、名物教授でありスローンプログラムのFaculty Director でもあるParker教授の授業。この授業が、僕にとっての修士課程の最後の授業となった。

本日は授業の前にケースを読む必要が無く、春学期のCFの授業を通して習った内容の総纏めを行った。Product/Capital Marketの世界観、会社運営と上記2つのMarketsの関わり、Corporate Financeの4つの柱、短期間であるが詰め込んだ内容を、”名物教授/授業”と言わせる独特の話術にて計90分授業に参加している全ての生徒を”釘付け”にした。

残念なことにParker教授は来年からCFの授業は担当しないらしい。GSBも世代交代の時期に来ているようで来年は新たに5人のファイナンス関連の教授陣が増員されるとの事である。Parker教授は引き続きMBAのコア・コースにて教鞭を取るらしいが、選択科目は若手に任せる予定らしい。抽選で選ばれた人しか取る事ができない授業であり、Paker教授が教える最後のCFの授業に参加出来た事が、自分の今後の人生の糧であり、且つ、自分が非常にラッキーだったのだと痛感した。

授業が終わったとは言え、期末試験とレポート作成は残っている。あと一息で勉強のプレッシャーから開放される。うれしいような、悲しいような。。。。複雑な気持ちだ。
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