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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
WEB2.0からWEB3.0の世界へ
秋学期の期末試験も終わり、山のように溜まっている読んでいない本を読み漁っている。特に先月初めに購入したネット関連の本が中心だ。折角の休暇なので、学校周辺機関や企業の人々とのネットワーキングも欠かしていない。

2005年の夏頃から急速に知られるようになった”WEB2.0”との単語。端的には第二世代のWEBなのだが、非常に掴みどころが無い言葉であるので深く理解する為に"WEB2.0 BOOK"を購入した。

Web2.0 BOOKWeb2.0 BOOK
(2006/03/01)
小川 浩、後藤 康成 他

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世の中はパレートの法則、つまり"2:8の法則"に支配されていると言われていた。たとえば全人口の20%が富裕層であり富の80%は彼らが支配するとの法則。他の例で言えば家の中で出るゴミの80%は部屋の20%の箇所から出る、といった具合である。しかしながら、WEB上でのデータ量が増えてWEBに参加する数が増えると今迄世の中を支配していたパレートの法則が作用しなくなるらしい。これを”ロングテール現象”と呼び、下位80%が売り上げの80%を搾り出す傾向となっている。世界最大のオンラインストアーであるアマゾンの売上分析がこのロングテール現象を証明しており、アマゾンやグーグルなどのWEB企業は上記WEB2.0的サービス提供者の代表格である。


昨日、インド人の友人と食事をした。集まったインド人はシリコンバレーで働くエンジニア達だ。インテル、シスコで活躍するエンジニア、MIT/STANFORD LABのエクゼクティブ・コミッティーメンバー等だ。大学時代にITは研究室で学んだが、それ以降は異なる業界で働いていたこともあり、独特のインド人なまりの英語に加えて話の内容が非常に異次元であったが、会話は大きく分けて2つのキーワードに絞り込まれた。一つは"Wi-Max"、もう一つは"WEB3.0"である。

前者は、高速通信回線敷設が困難な場所において広域をカバー可能な無線通信でありシリコンバレーにおいて関連ビジネスが実際に動き出しているらしい。このネットワークにより公園でPCを開きネット通信が可能であり、自動車で移動中にもネット情報を入手可能となる。グーグルが展開している"Google Net"を思い起こさせた。地域密着型のネットワーク構築も可能となる。例えば、近所のスーパーが大売出しであれば同じ町に住む消費者にとっては必要な情報であるが、数キロ離れた住民であれば関心は薄れる。自分で情報の選択をしなくても地域性との観点であればネットが勝手に選別をしてくれるわけである。

後者のWEB3.0は聞いて驚いた。僕がWEB2.0を完全に理解していないうちに、次世代WEBが誕生していたのである。。。無知とは恐ろしい。MIT/STANFORD LAB(URL: MIT/STANFORD LAB.)の方の説明だと”PC同士の会話が可能となるのがWEB3.0”、との事だ。PCに打ち込んだ言葉をPCが今までの履歴等を参照して判断し、打ち込んだ人に最も必要となる情報をネット上から運んで来てくれるのがWEB3.0だ。例えば、”スタンフォード"と打ち込んだ人が買い物好きな奥さんだと”スタンフォードショッピングセンター”に関する情報が提供され、スポーツ好きな人であれば"スタンフォード大学体育会活動近況”の情報が提供されるといった具合である。確かに優れものであるGoogleを使っていても本当に欲しい情報にたどり着くのに時間や手間がかかり苦労することがある。

日本はネットインフラ的には世界一であるが、サービス面、アイデア出しの面では更に向上する余地が有ると思う。シリコンバレーのWEB企業と、”WEBの中身”で勝負出来るユニークさは十分に兼ね備えていると思う。例えばゲームやアニメは日本はダントツに秀でている。"考える”事が得意であるが落としこむ過程に何かしらの工夫が更に必要なのだと思う。特に公的な場に対して表現する事やマーケティング能力であろう。これが出来なければ起業運営必要となるお金も集まらない。ネット上でのサービス提供者として今後活躍する日本企業が出てくるだろう。日本の特異な製造業ではなく1990年代から伸び悩んでいるサービス業の復活である。そのような企業の成長を伸ばせるような、そんな業種に興味を持ち始めている。
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