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STANFORD GSB留学記
西海岸のエスタブリッシュメントの中で過ごし得る知見や身の回りで起こる出来事を読者と共有していきたい。授業内容、クラブ活動、シリコンバレーのコミュニティー、等盛り沢山の内容を掲載します。
エンデュアランス号漂流
エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)エンデュアランス号漂流 (新潮文庫)
(2001/06)
アルフレッド ランシング

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445頁の長編だが、非常に読む価値の有る本であり、読み終えた時には過酷な旅を経験した気分になれ、中には非常にすっきりとなれる人も居ると思う。

人類初の南極大陸横断に挑戦するアイルランド人のシャクルトン船長を中心とした船員達の話。想像を絶する幾多の危険を乗り越えた真の探検家であり英雄達の話だ。南極探検だと、どうしてもアムンゼンやスコットが有名だが、シャクルトンが生きた1800年後半から1900年前半の利便性を考えると、評価されるべき業績なのだと思う。

死と対面しながら、生きて故郷に帰りたいと思う気持ちがシャクルトン船長を中心とした英雄達の活力となり、それ故に偉業を成し遂げる。

ビジネススクールでも推奨されている本だ。留学後、グループ・ワークとして行なったが危機的な状況下において限られたリソースの重要性のランク付け、そのリソースを使ってどのように生き延びる計画を立てるか、のシュミレーションをする。おそらく、この本はそのようなトレーニングにも役立つのだと思う。

高校生の時にボーイスカウトで雪山に登る機会が多かった。視界が悪く足場の悪い雪山を黙々とパーティーの仲間と登る。尾根を歩くときは強い吹雪が横から体を打ち付ける。何度も頭の中で温かいココアとか食べ物を想像したりするが、現実は視界の狭い雪山が周りにあるのみの極寒の世界。。。山小屋に到着した際に感じる”生きる喜び”や”文明の利器のありがたさ”は普段の生活では感じる事ができないものであり、変え難いものがあった。

おそらく南極大陸横断を20世紀前半に挑戦した人々の味わった苦労は、僕が経験した事とは比べ物にならないのだと思う。冒険心、リスクが有ることを知っていて敢えてそれに挑戦する。リスクが大きければ大きいほど学ぶ事も多いのだろう。又、逆に二度と立ち直れなくなる人間も出てくる。

エンデュアランス号の漂流とビジネスでの困難さは比較できるものではないが、おそらく共通するものを見出す人は多いのだと思う。
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コメント
この記事へのコメント
これ、良い本ですよね。

ノルウエーに旅行した時に3年間北極の氷の中に閉じ込められた後、見事に帰還した船(シャックルトンと同時期だと思います。)を見ましたが、よくぞ、こんな船で行ったものだと思いました。

まさに意志のあるところ、道はあり、ですね。
2008/03/01 (土) 06:43:01 | URL | AMO #-[ 編集]
AMOの座右の銘ですね。Where there is a will, there is a way. 僕もこの言葉好きです。

しかし、観点を変えると、つまりは”実力主義”なんですよね。極限の状態でしっかりと目標転換をし、捨てるものを捨てて当該状況下で本当の目的を見つけ、実行し成功させる。ビジネスでも人生でも同じなんだと思います。
2008/03/01 (土) 10:44:31 | URL | K2 #-[ 編集]
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