
![]() | 日本はどう報じられているか (新潮新書) 石澤 靖治 (2004/01) 新潮社 この商品の詳細を見る |
”ジャパン・バッシング”や”日本異質論”は昔の事。空白の10年を経た後の日本の経済や政治に対してどのように海外の人々が見ているのかを海外のメディアに詳しい日本人が寄せ集めて書いている。所要時間は3時間ほどでした。
メディアの報道をどこまで信じるのか、とのフィルターは外して読んで問題ないと思う。実際に海外で書かれている事が纏めて書かれているだけなので。
イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ、アラブ社会、中国、韓国それぞれの国や地域の日本に対する見方の集大成である。自分が理解しているドイツにとっての日本、アメリカにとっての日本がずれている事を認識した。仕事上での付き合いもあるので分かっているつもりだったがまだまだ自分として相手に期待している甘えがある。一方で、韓国に親近感を感じた。共同で行ったスポーツ祭典”ワールドカップ”は実をなしているようである。
この前、入社当時の課長さんに2人だけで食事に誘われた。六本木の炉端焼きの有名店である。素材が高級なので値は張るらしいが民芸館のような座敷に焼方が2人座り刺身以外の料理を炙り巨大なへらを使って客にサーブする。来ている客の8割は外人。接待も多い。と言っても仕切りが無いしお店の人が超体育会乗りで大声で叫んでいるので秘密話は出来ない。リピータが多いらしく僕らの客もそうらしい。
日本からの発信が正確に伝わっていなかったり、発信が少なかったり、発信しているのにキャッチされていなかったり色々有ると思う。ビジネススクールでも日本人の比率は少なくなっている。ケース・スタディも日本企業は減っているとも聞いた。
上記の炉端焼き屋の例もそうだが、日本に実際に来て、その人の日本像がガラリと変わり日本のファンになってしまう外人は多い。昨日まで僕の席の横には日本に10年近く滞在しているオーストラリア人がいた。猛烈日本ファンの一例だろう。トイレの”ウォシュレット”に感動してハイテク日本を再認識する人、東京がNYCよりハイテク都市である事を確信して帰国するアメリカ人などである。
伝達する方法、手段は選ばないのでグローバルな社会の中での日本への認識が良くなってくれればと望む。”金持ちでブランド好きの良いお客さん”では終わって欲しくない。その為にも、我々日本人として発信し続けなければならない。又は向こうから日本に来させるのだ。
ソフトパワーは日本の強みだが限界はある。このパワーの魅力は十分承知していると思うが外向きへの働きかけにも磨きを掛ける必要は有ると思う。そうすれば更に投資が増えるかもしれないし、日本の輸出量もジャンプするであろう。
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