
![]() | 本田宗一郎夢を力に―私の履歴書 (日経ビジネス人文庫) 本田 宗一郎 (2001/07) 日本経済新聞社 この商品の詳細を見る |
この本は失われた10年を取り戻す為に、企業経営やビジネスマンの行き方に問われる問題は本田宗一郎さんが経験した際と変わらない、よって、彼が波乱万丈な人生を歩み成功したように、元気の無い日本経済が”夢を力として”海図の見えない今を乗り越えられればとの願いが込められている。
本田宗一郎さんの先見の目はすばらしい。やはりベンチャー企業は思いもよらない事を将来の需要の拡大をシッカリとに睨みながらやっている。しかも、HONDAの思いっきりの良さ、可能性を信じ自分を信じ最後まであきらめずに必ずものすごく高く設定したゴールを達成する根性、何もかもに感銘を受けた。
HONDAが2輪車で成功し4輪乗用車へ進出した際の日本国内での葛藤、F1へ挑戦した際のきめ細かい戦略と自らのポジションの底上げをする為の膨大な投資金額、自動車のみならずロボットや航空機等へのR&D投入等すばらしい。又、本田宗一郎と共にHONDAというベンチャー企業を国際的な企業へと育て上げた経営者(女房役)である藤沢武夫さんとの絶妙な組み合わせも面白い。
本田宗一郎が残した言葉は沢山あるが、僕がとても重みを感じた言葉は以下の通り。
やはり、昔の日本人は素晴らしい。。。
QOT
+++ 退陣の挨拶からの抜粋 +++
ホンダは、夢と若さを持ち、理論と時間とアイデアを尊重する会社だ。とくに若さとは、困難に立ち向かう意欲 枠にとらわれずに 新しい価値を生む知恵であるとおもう。”
(1973年8月)
+++ 私の履歴書からの抜粋 +++
私はずいぶん無鉄砲な生き方をしてきたが、私がやった仕事で本当に成功したものは、全体のわずか1%にすぎないということも言っておきたい。99%は失敗の連続であった。そしてその実を結んだ1%の成功が現在の私である。その失敗の陰に、迷惑をかけた人たちのことを、私は決して忘却しないだろう。
人生というものは、最後まで行かぬと成功だったか失敗だったかはにわかに断じ難いものである。・・・人間の一生も功と罪とで評価すべきで、私の死んでから受ける評価が、ほんとうの「私の履歴書」であろう。
+++”能率の尊重”からの抜粋 +++
能率とは、プライベートの生活をエンジョイする為の時間を駆使する事である、と私は考えている。二宮金次郎のように、山坂路を歩くというような、二重・三重の苦労を忍んだり、朝は早く、夜は遅く、昼食の時間まで惜しんで、働くために働くことを能率なりとする考え方や、生活を楽しむことを罪悪視する戦時中の超克己主義は、能率の何たるかを解しない人の謬見である。
能率は、現代において人間的な生活を営む為の必須条件であって、この能率の要素としては次の三つを挙げる。
1.タイム
2.マネー
3.プライド
である。いかに時間に余裕があっても、金が無ければ生活を楽しむ事は出来ず、またどのように金が有っても、時間に余裕が無ければ生活を楽しむ事は出来ない。
しからば、金と時間とが有れば生活を楽しむ事が出来るのかと言えばそうではない。時間と金だけが能率の条件であるならば、泥棒をしたり、詐欺をしても構わぬはずであるが、これは、人間としての誇りが許さない。正々堂々と正しい方法によって十分な収益をあげ、金と時間とをつくり、税金もなるべく沢山納め、自分は事業を通して国家社会に貢献しているという誇りを得て、初めて能率的であるといえるのである。
(1953年5月)
UNQOT
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